君がいるから俺を好きになれた

だって愛してる 2 (まんがタイムコミックス)

だって愛してる 2 (まんがタイムコミックス)

ああ、ヤバイヤバイ。胸にザクザク突き刺さる。
特に2巻の帯のコピーで、ハッとなりましたね。色々と。


欝物語ってほど欝を強調してるわけではなく、
人情ものってほど人情を無批判に賛美してるわけでもなくて、
内容を見るだけなら淡々と夫婦の日々を描いているだけなんだけど。


日常のなかにある、小さな悲しみと喜び、明日への不安。
そういうのが、とてもうまく表現されているというか、
胸に沁みるように描かれていると思います。
特に最後。明日への不安。漠然とした、この先どうなるんだろうという、不安。
読み進めているうちに、正直「これ読んだまま寝たら、悪夢見るなー」と恐れてたんですが、
最終的には見事な昇華をしてくれました。
なんだろう。勇気が出る……というか、少なくとも悪夢は見なくて済みそう。
この昇華は期待してなかったんで、驚きと拍手と同時に、作者様に感謝です。


人生順風満帆なひとはあんまり楽しめないかもしれないですが、
(まあ普通にキャラものとして秀逸だとも思いますが)
そうでない人のほうがより感情の動きを得られるんじゃないかと思います。
良くも悪くも。
まあ、私は途中まで比較的順調な人生送って来れてたんで、
そんな悠長なこと言えるのかもしれませんが。


問題は私にゃ「君」が居ないってことだな。
あー、恋愛したいですねえ。


ああそれと、帯のあおりの「また泣かされてください」ってのは、
昨今の売れ線がそっち方面であることを考えると、営業的にはしかるべきものなのでしょうが、
ちょっと興ざめというか、押し付けがましいものを感じたり。
まあ、手にとってもらわなきゃいけないわけだから、しゃあないですか。