週刊少年チャンピオン2011-14号

・『はみどる』 主人公たちのマネージャーにして元アイドルの天地さんが、かつてのライバルと対決する話。天地さんのセリフに「アイドルとはァッ清楚で可憐で憧れの存在なのよ!」ってのがあったんだけど、それで気がついたことがある。 天地さんが主人公の「あかり」を大切にしているのは、あかりが「清楚で可憐であこがれられるに足るアイドル」を目指す子だからではないだろうか。天地さんの時代のあと、アイドルはバラドル化していったわけで……。それを見てきた天地さんには忸怩たる想いがあっただろう。現代の人気アイドル「せりか」のように、裏が腹黒いアイドルもたくさん見てきただろう。『私の理想であるアイドル像を目指す子は、もういないのかもしれない』と絶望していた天地さん。その前に現れた、大切な希望。それがあかりだったのでは……。とか思うと、天地さんの献身っぷりがいとおしい。そして、あかりのダメさがますます光る。  ああ、今週、主人公たちのライバルも出現しましたが、それは現状どうでもいいです。黒髪ロングツン・おっとりセミロング(&グラマー?)・金髪ロリと、いい対比させてるので期待は出来る。


・『ケルベロス』 「うしおととら」の麻子はいいヒロインだった……。現実的にはそこそこ強い。しかし妖怪相手では戦力にならない。でも、彼女は戦った。肉体的に、それ以上に精神的に。  そしてケルベロスのヒロイン・友恵も、いい戦いを見せてくれたと思う。 彼女も現実的にはそこそこ強いが、バケモノ相手では戦力にならない。ついでに、物語の引き金を(意図せず・記憶にもなく)引いてしまっている。  周囲に戦えるサブヒロインがたくさん居る中、どうなることかと思ったが、今週の彼女は精神的に戦ったんだと思う。 変身し、異形と化す主人公。さっきまで自分たちを襲っていた化け物と、同じような……。その葛藤。 しかし主人公に言葉をかけられた彼女は、なんとか言葉を返し、そのやり取りの中で確信する。 「ああ良かった。ちゃんと……景(主人公)」 この、ページをめくったところの大ゴマでの笑顔は、とても素晴らしかったと思う。彼女は、勝利したのだと感じた。