江畑謙介 軍事とロジスティクス

軍事とロジスティクス

軍事とロジスティクス

買ってからだいぶ経ってしまったけれど、ようやく読み終えました。  軍隊に対する「補給・調達といった要素(ロジスティクス)」に関する本です。イラク戦争、アフガン戦争を例にとり、米軍を中心とした最新のロジスティクス技術を紹介しています。またそこから派生で、過去のロジスティクスのあり方なども説明され、軍隊におけるロジスティクスの位置というものも教えてくれます。
奇しくも平成23年東北地方太平洋沖地震において、被災地への補給がうまくいっていない現状もあり、興味深く読みました。


単純にロジスティクスといっても、冷戦時代のような「現地後方に物資の山を作る」方法から、洗練された「必要なときに必要なものを現地に即座にお届け」まで色々あります。必ずしも後者が有効なわけではなく、その時々や組織に応じて、適するもの、採用可能なものがある。 実際米国で採用できた方式も、イギリスやイスラエルでは資金面や組織面で採用できないものがあったようで。  とはいえ、巨大社会である軍隊において、それを動かすロジスティクスはもうひとつの顔。その改善にかけられる熱意は、並々ならぬものでした。


海上基地構想や、数万人分の補給物資を蓄える補給船団構想、精密誘導パラシュートや、飛行船と飛行機のハイブリッドなど、面白マシンもめじろ押しです。現時点でどれだけ実用化の目処立ってるのかなあ。今回の震災でも巨大ホバークラフトの姿がありましたねえ。